『る*しろう新譜”病”発売直前レコーディングレポート』
by
cooltone-groove 片桐
久尚 2019/11/13(Wed)
さて目前に迫ったる*しろう待望のニューアルバム『病』であるが
前作に続きこの大作のエンジニアを請け負わせて頂く幸運を得た片桐デブ。
もう待ちきれないであろう皆さんを更に悶絶をさせるレコーディングレポートをこのタイミングでやるいやらしさである。エンジニアの役得なのでご勘弁を…
レコーディングは5月ゴールデンウィークに執り行った。場所はここ新潟のcooltone-
recording・studio。前作は四方を雪に埋もれた真冬だったが今回は新緑の美しい風光明媚な時期である。
最初にこのタイトル『病』であるが前作からのこの数年間に3人のメンバーそれぞれに『人生の苦難』とも言えるBluesに襲われ人生のターニングポイントの一つを偶然にも三者三様に迎えた経験をしたとの事、そんなBluesを乗り越え創作にとりかかったのが今作『病』であるそうな。
筆者はいつもそうだが事前に頂いた音資料を確認しない。常に新鮮にしかも一発決めの意気込み緊張感を最優先するからだ。今回スタジオ入りしセッティング完了最初の一曲目”オザッコ2号”を聴いた瞬間ぶっ飛んだ!何かが違うのである。それは決して芸風が変わったとか曲調の変化とかではなくその音の塊、パワー、曲の説得力等々全てポジティヴな意味での変化である。
なんせこいつら…ぢゃなくてお三方は仕事が早い!全曲ほぼFirst
Take
onlyである。どんどん曲が進む中、これを主観と言われたらそれまでだが今まで永い付き合いで作品も勿論全曲知っているが明らかに「一皮剥けた感」をモーレツに感じたのだ。こればかりは嘘偽りなく感じてしまったものは仕方ない。また極めて良い意味で「灰汁が抜けた」「澱が取れた」も感じた。決してこのバンドが持つ「変態・狂気・ワイルドさ」の部分は一切変わっていない。いや、寧ろパワーアップしている位だ。
うまく表現出来ないが『今までのフアンには一皮剥けたる*しろうを、全く新しいフアンには以前よりずっと良質で強いアピールが出来る』と思ったのである。
オープニングナンバーの「オザッコ2号」から「俺、ピン様・どいずみき・ズンダの2」とる*しろうフアンならニヤニヤしてしまう何時ものど変態パワープログレナンバーが続く。
そして果てしなく美しいバラード「ミラード」を挟みアルバムはまるでライヴの様にドンドン熱くエキサイトしていく。
改めてだが…る*しろうの作曲の殆どを手がけるミヤコ女史の「作曲能力の高さ・優れた才能」には改めて脱帽である。10曲目の「プロテスクルガリ」は世紀の傑作に思う。少なくともこの日本で斯様な作品をライティング出来る彼女は奇跡にさえ感じる。
女史の話題になったので続けるが彼女の「唄の巧さ凄さ」も半端ないのだ。voice系のレコーディングは終盤にまとめて行ったのだが全テイク一発なのは元よりそのクオリティの高さは尋常ではなく女史の計り知れない才能にただ驚くばかりだった。
これは手前味噌の話題だがこのバンドはジャズでもロックでもクラシックでもない、それら全てが融合したものと捉え作業を進めた。以前からミヤコ女史に本物のグランドピアノをレコーディングで使用したくて堪らなかった。彼女の繊細且つダイナミックな表現は本物でなければ再現出来ないのである。そこで今回はピアノの音に十二分の時間を掛けた。流石にピアノは交換出来ないが「さっきはスタンウェイ・これにはベーゼン・あれにはベヒシュタイン風と凝りに凝った。
実にマニアックな部分だが何となく頭に入れて視聴して頂ければ幸いである。
なんせ『今までのフアンの皆様には更なるパワーアップのる*しろうを…初めて聴く方には今までのアルバムの中では一番聴き易く受け入れ易い作品』に仕上がったと思う。この作品は筆者の中では既に『名盤』である。
発売までもう少し…皆さん指を咥えてお待ち下さい。超乞うご期待!(^^)
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